寿陵

 寿陵(生前に建てるお墓)とは?

寿陵(じゅりょう)」の意味は?

生きている間に建てる自分の墓や、夫婦の墓を「寿陵」、 「生前墓」といいます。
名前の文字を朱色にします。

寿」は、長寿・長命などに通じ、「」 は天皇のお墓を表しています。

寿陵」が中国の古い書物でも大変めでたい墓として扱われていることは、 秦の始皇帝が生前に墓を造っていたことでもうかがえます。
お釈迦(しゃか)様も「あらかじめ、 生前に死後の仏事を修めておくと、その幸せは計り知れない」と述べています。

生前墓のメリット
①家族がいざという時にあせらずにすむ。
  最近では、すぐに満足のいく墓を購入することはなかなか困難。
  寿陵なら、家族に負担をかけずにすみ、
  自分や家族の宗教観や考え方にあった納得いく墓を造ることができる。
②生前に墓を建てると、節税対策にもなる。
  先祖を祭る墓所や仏具など祭祀(さいし)財産には相続税がかからない。
  生前に墓を建てた場合と、亡くなってから墓を建てた場合を比べると、
  遺産相続額、つまり相続税に差がでてくる。
  遺産相続額が
   5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 以内であれば、
  相続税はかからない。

寿陵は、生前に行うお墓の建立ですから、当然納める「遺骨」がありません。
都営、県営、府営、道営や公営の霊園では寿陵は建てられないことがあります。
公営の霊園では、墓地の数が足りないことが多いので、生きている人はご遠慮いただくということが時々あります。
担当部署に事前に確認するといいでしょう。

寿陵はここ数年で急激に増えてきました。
その背景には核家族化や墓地不足にあります。
核家族化は、個人の墓を増やし、墓地不足は早めに自分の墓を確保しておこうという動きに結びつきます。
最近の分譲墓地は購入と同時に、お墓を立てることが条件となっていたりしますので、必然的に分譲墓地などでは、 寿陵が増えるということになります。

寿陵は古くから中国でも行われたおめでたい事とされ、古書にも「寿蔵」、「寿穴」、「寿堂」などとかかれています。
生前戒名を朱色で書くのは、朱色はお祝い事の色とされているからです。

寿陵を建てる手順は普通のお墓と同じで、墓石を建立したらまず、
①墓石に魂を入れる開眼法要を行います。
②墓前で僧侶などの祭祀者に開眼のお経を唱えてもらい、魂を迎え入れます。

お墓はこのような儀式を経てはじめて、霊験あらたかな存在になるのです。
法要のいとなみ方は宗派により異なるので、菩提寺に相談しましょう。

また、墓石に生前戒名を刻んだ場合は、文字を朱色に塗っておき、亡くなってから朱を落とすのが一般的です。

よく生前にお墓を立てたりすると「早死にする」、とか「縁起が悪い」とか言う人がいますが、
これは仏教の教えを知らない人が勝手に決めたことです。
生前に自分の冥福を祈るというのは、仏教では大変功徳の高い善行とされています。

ということで、寿陵を建てると言うのは仏教の教えにたった、功徳の高い習慣であるといえます。

もちろん反対意見も多数あります。
宗教や考え方は人さまざまです。
ご自分に一番合ったお墓を、自分に合った方法で求めましょう。

最近は骨壺を生前に作られる方も増えています。
陶芸などを習われ作られる方、
ご自分が気に入った陶器を求め、それを骨壺になさる方、これも人さまざまです。

 

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