冠婚葬祭用語辞典【葬】TOP > 臨終から葬儀までの遺族・喪主としての対応

遺族・喪主の危篤に際しての心得

肉親の死に直前するのは、人生でもっとも大きな悲しみの一つ。

危篤の際の知らせる範囲

知らせる範囲は、
1.家族
2.血筋の濃い親族
3.特に親しい友人・知人
4.勤務先や学校などの所属している団体  など。

危篤の連絡方法

知らせは電話でする。

遺言の準備

本人が遺言を残したいようなら、すぐその準備をする。

末期の水(死に水)

医師に「ご臨終です」と告げられたら、その場に居合わせた者は、故人の血のつながりの濃い順に末期の水を含ませる。

死に化粧

湯灌の後は、遺体のまぶたをなでて閉じ、あごを持ち上げて、口を閉ざす。

死に装束

衣服もさっぱりしたものに着替える。

病院で臨終を迎えた場合

現在は、病院で死を迎える人がほとんど。

遺体の引き取り 病院での死亡 病気による自然死の場合

死因がはっきりしているときは、遺体処理後、すぐに運ぶ。

遺体の引き取り 病院での死亡 事故死や自殺・急死の場合

事故にあい、病院に運ばれてから、死亡した場合、病気による自然死と同じ扱いを受けるが、即死の場合は、事故死・自殺・他殺を問わず、警察医による検死がすむまでは、遺体に絶対に手を触れたり、動かしてはいけない。

遺体の引き取り 旅先での死亡

遠隔地の病院で死亡したときは、遺体で運ぶと費用もかさむし、遺体の損傷もひどくなるので、病院の霊安室で通夜をし、火葬場に棺を運んで荼毘(だび)に付して粋津にしてから持ち帰り、自宅で葬儀をするのが一般的。

遺体の引き取り 海外での死亡

外国での死亡は、まず現地の病院から在外公館(日本大使館や、総領事館)に伝えられ、外務省に通知される。

死亡に伴う届出

人が死亡したときには、家族・親族は、七日以内に死亡診断書または、死体検案書と死亡届を、死亡した場所の市区町村に提出しなければならない。

死亡診断書

人の死は、医師の確認がないと、認められない。

死体検案書(死亡診断書と兼用)

病気による自然死の場合は必要ない。

死亡届

用紙のうち、死亡診断書(死体検案書)に医師が記入したあと、左側部分の死亡届に必要事項を届出人が記入する。

火葬(埋葬)許可証

火葬(埋葬)許可証がないと、火葬場は火葬してくれない。

遺体安置

自宅で死亡したときも、病院からうつした場合も、遺体は北枕にして安置する。

枕飾り

遺体の枕元には、枕飾りをする。

枕飾り 枕飯

枕飯とは、故人が使っていた茶碗にご飯を山盛りにし、箸をまっすぐたてたもの。

枕飾り 枕団子

枕団子とは、上新粉を蒸すか、ゆでるかしてつくり、普通六個飾る。

枕経(まくらきょう)

枕飾りがおわり、周囲を整えたら、僧侶を呼んで枕元でお経をあげてもらうこと。

戒名の依頼

戒名は本来、戒を受けたものに与えられるものなので、正しくは生前にいただくのだが、今はかなり信仰の篤い人でも、生前戒名を持つ人はいない。

戒名・法号

戒名・法号には、男性の場合、最後に「大居士(だいこじ)」、「居士(こじ)」、「大禅定門(だいぜんじょうもん)」、「禅定門」、「信士(しんじ)」などがつけられる。

戒名のなりたち

戒名は次のように成り立っている。

納棺

祭壇飾りがほぼできた段階で、納棺する。

死亡通知状

できるだけはやく、死亡通知状をだす。

死亡広告

死亡広告は、個人的な葬儀でも連絡先が多い場合はだすことがあるが、一般的には社会的に地位が高く、交際範囲の広い人が出すようだ。

葬儀の形式・規模・日取り

肉親を失った深い悲しみの中にあって、遺族は、精一杯故人の意志を尊重し、故人のための最後の儀式を手落ちなくすすめるよう、心がけなくてはならない。

葬儀の形式

葬儀の形式は、生前に特別な希望がなければ、一般にその家の宗教で行う。

葬儀の規模

葬儀の規模は、予算にもよるが、故人の社会的地位や、付き合いの広さ、故人の生前の主義主張も考え合わせなければならない。

葬儀の費用

葬儀の費用は、葬儀社への支払いと、寺社へのお礼、会葬者への接待費用が主なもので、これに雑費が加わる。

葬儀サービス(葬儀一式)標準価格の例

祭壇飾替え(場所の移動)、葬祭期間(三日)の延長は、三号以下は10%追加。

葬儀の日取り

葬儀の日程は、葬儀社の人、それにできれば世話役代表に加わってもらって、打ち合わせをする。

喪主の選定

喪主は葬儀の責任を負う重要な立場にあり、葬儀の段取りを決める前に決定する。

喪主の選定 妻か夫が死亡した場合

妻か夫が死亡した場合、配偶者が喪主になるが、高齢の場合や、すでに他界している場合、一般的に長男が喪主になる。

喪主の選定 女系家族の場合

女系家族の場合、父親または母親がすでに他界していて、残された配偶者がなくなった場合、他家へとついだ娘が喪主になることもある。

喪主の選定 故人に直系血族や、兄弟姉妹がいない場合

故人に直系家族や、兄弟姉妹がいない場合、故人との親密度を目安に、親戚同士の話し合いで決める。

喪主の選定 子供が死亡した場合

子供が死亡した場合、かつては逆縁といって、故人より目上の人が喪主になることは避けられていた。

喪主の選定 未成年の子供を残して両親が死亡した場合

未成年の子供を残して、両親が死亡した場合、子供といえども喪主になることはできない。

世話役の選定

喪主が決定したら次に世話役を選ぶ。

葬儀に必要な係

最低限必要な係と、規模に応じて設ける係を列記する。

寺社・教会への依頼

不幸が起きたら、故人の信仰や意志を尊重して、儀式を何式で行うかを決める。

仏式の場合の寺社選び 菩提寺が近い場合

菩提寺が近い場合、世話役代表などに菩提寺へ出向いてもらう。

仏式の場合の寺社選び 菩提寺が遠い場合

菩提寺が遠い場合、まず連絡し、僧侶に来てもらえない場合は、近くの同じ宗旨の寺を紹介してもらうとか、葬儀社に依頼するなど、菩提寺にアドバイスしてもらう。

仏式の場合の寺社選び 菩提寺がわからない場合

菩提寺がわからない場合、菩提寺との交流が途絶えている場合などは、葬儀社に同じ宗旨の近くの寺を紹介してもらう。

仏式の場合の寺社選び 宗旨がわからない場合

宗旨がわからない場合、大抵の家には、昔からの仏教宗旨がある。

神社に依頼する場合

神式は、神社へ依頼して葬式となる場合。

教会に依頼する場合

キリスト教式で、教会に依頼する場合。

葬儀社の選定と依頼

葬儀の中で、葬儀社の占める役割は大きなもの。遺族や近親者の間で葬儀の形式や日取りの下相談がまとまったら、葬儀社を手配する。

葬儀社を決めたら

葬儀社を決めたら、家の宗教、宗旨、日取り、規模、予算を伝えて依頼する。

葬儀社のサービス内容

葬儀社のサービス内容を例にあげてみた。

葬儀社のしてくれること

葬儀社は、葬儀用品の販売やレンタルのほか、宗教、宗派の違いに応じて、通夜、葬儀の一切の進行を助けてくれるのが一般的。

葬儀終了後のアフターサービス内容

葬儀終了後の葬儀社のアフターサービス例

弔問客を迎える準備

死亡通知を出すと、喪家に弔問客が駆けつけてくる。

自宅で行う通夜の準備のcheck point 部屋の片付け

部屋は、ふすまや障子をとりはずし、広く使えるように片付け、入り口から祭壇まで見通しよくする。

自宅で行う通夜の準備のcheck point 玄関と外回りの片付け

出入りの激しい玄関は、履物が混雑しがちなので、家族のものは出しておかないようにしよう。

自宅で行う通夜の準備のcheck point 神棚封じ

葬儀を仏式、または神式で行う場合は、神棚があれば扉を閉め、合わせ目に白紙を貼る。

自宅で行う通夜の準備のcheck point 忌中の札

仏式と神式では、玄関先に竹のすだれを裏返しにしてかけ、その上に「忌中」と書いた黒枠付の札を貼る。

自宅で行う通夜の準備のcheck point 喪服・茶器は出しておく

家の中を片付けるときに、忘れてはならないのが、喪服や茶器、必要小物をだしておくこと。

自宅で行う通夜の準備のcheck point 道順の表示は早く

道順の表示はできるだけ早くしよう。

実際は、葬儀社の人が通夜に間に合うように道路標示を貼ってくれるが、死亡通知後、弔問客がかけつけるので、なるべく早く表示したほうがよい。

自宅で行う通夜の準備のcheck point 控え室等も用意する

祭壇のある部屋では、原則として、一切の飲食はしないもの。

自宅で行う通夜の準備のcheck point アパート・マンションの場合

祭壇は、玄関から見通せる場所におき、一般弔問客は廊下に置いた焼香台で焼香するように準備する。